傷病手当金と失業保険は両方もらえる?同時不可でも損しない受け取りの順番
病気やけがで会社を辞めるとき、多くの方が同じ疑問にぶつかります。傷病手当金と失業保険は、両方もらえるのでしょうか。それとも、どちらか一方だけなのでしょうか。
結論から言うと、この2つを同じ時期に受け取ることはできません。ただし、時期をずらせば両方を活かせる場合があります。順番を知らないと、本来もらえたはずのお金を取りこぼすことがあります。
まずは、ご自身がどちらの対象になりそうか。60秒のかんたん受給診断で、ざっくりの方向性をつかめます。
なぜ同時にはもらえないのか
理由は単純です。2つの制度は、受け取る前提が正反対だからです。
| 制度 | 受け取る前提 | 根拠 |
|---|---|---|
| 傷病手当金 | 病気・けがで働けないこと | 健康保険 |
| 失業保険(基本手当) | 働く意思と能力があり働けること | 雇用保険 |
傷病手当金は、働けないあいだの生活を支えるお金です。失業保険は、働けるのに仕事が見つからない期間を支えるお金です。
「働けない」と「働ける」は両立しません。だから、同じ時期に両方を受け取ることはできないのです。ここで大事になるのが、いつ、どちらを先に受け取るかという順番です。
損しない受け取りの順番
働けない状態で退職した場合、基本となる流れは次のとおりです。
- 働けないあいだは、健康保険の傷病手当金を受け取る(通算で最長1年6ヶ月が目安)
- まだ働けないなら、失業保険の「受給期間の延長」を申請してとっておく
- 働ける状態になったら、失業保険(基本手当)を受け取る
この流れのカギは、2番目の延長です。失業保険には「退職日の翌日から原則1年」という受給期間があります。療養しているあいだにこの期限が過ぎると、受け取れなくなってしまいます。
延長を挟んでおけば、働けるようになってから失業保険を受け取れる可能性が残ります。延長の詳しい考え方は受給期間の延長で解説しています。
順番を逆にすると、どれくらい損するのか
では、順番を逆にしたらどうなるのでしょうか。たとえば、退職後に「早く失業保険をもらおう」と先に手をつけるケースを考えてみます。
ところが、まだ療養が必要な状態だと、失業保険は「働ける」が前提なので受け取れません。手続きだけ進めても止まってしまいます。そのあいだ、本来もらえていたはずの傷病手当金も受け取れていないことがあります。
ここで一例を挙げます。月収30万円の方なら、傷病手当金の目安は月およそ20万円です。順番を取り違えて受け取れない月が3ヶ月続けば、目安で60万円ほどが空白になる計算になります。あくまでモデルケースで、結果は加入状況や体調によって変わります。
それでも、順番ひとつでこれだけの差が見える場面がある、という点は知っておく価値があります。
つまずきそうだと感じたら、抱え込む前にLINEで相談してみてください。今のご自身ならどちらが先か、いっしょに確認できます。
それぞれの金額・期間の目安
2つの制度の、おおよその目安を整理します。
| 項目 | 傷病手当金 | 失業保険(基本手当) |
|---|---|---|
| 金額の目安 | 標準報酬日額の約2/3(月収のおよそ65%) | 賃金日額のおおむね50〜80% |
| 期間の目安 | 通算で最長1年6ヶ月(18ヶ月) | 原則90〜330日 |
| 主な条件 | 病気・けがで働けない | 働く意思と能力があり求職中 |
金額も期間も、いずれも一般的な目安です。実際の受給可否や金額は、加入状況や退職理由、保険者やハローワークの判断で決まります。
失業保険の金額や日数の考え方は失業給付(基本手当)とはに、自己都合と会社都合での違いは自己都合の失業保険にまとめています。
つまずきやすいのは「延長忘れ」
順番の設計でいちばん多い取りこぼしは、失業保険の延長申請の忘れです。
在職中なら、休職の手続きは会社の総務が案内してくれることが多いものです。ところが退職後は、延長を出すかどうか、いつ出すかを、自分で判断して進めることになります。会社がそこまで教えてくれるとは限りません。
取りこぼしにつながりやすいのは、次のようなケースです。
- 療養に集中していて、失業保険の延長申請を忘れてしまう
- 受給期間(原則1年)を過ぎてから気づく
- 「すぐ働けないから失業保険は無理」と、最初からあきらめてしまう
- 傷病手当金の継続受給に必要な、退職前からの要件を満たしていなかった
体調が万全でない時期に、慣れない書類を期限内にそろえ続けるのは、思っているより負担が大きいものです。療養しながらだと、判断ミスはどうしても起きやすくなります。
ハローワークや協会けんぽは、制度や手続きの案内をしてくれる、無料で頼れる窓口です。ただ、延長をいつ出し、傷病手当金からどう切り替えるかという順番の組み立ては、別の相談先を持っておくと安心です。
アンタイができること
アンタイは、いつ、どの制度を、どの順番で使うのがよいかを、ご自身で手続きを進められるよう情報提供と伴走をするサービスです。やり取りは基本的にLINEなので、療養しながらでも進めやすいよう配慮しています。あくまで、あなたが本来受け取れる権利を取りこぼさないための伴走です。詳しくは受給のしくみをご覧ください。
まとめ:同時は不可、でも順番で活かせる
傷病手当金と失業保険は、同時には受け取れません。けれど順番を正しく設計すれば、両方を時期をずらして活かせる可能性があります。
- 働けないあいだは傷病手当金、働けるようになったら失業保険
- そのあいだに受給期間の延長を挟んで、失業保険をとっておく
- いちばんの取りこぼしは、延長申請の忘れと受給期間の経過
順番を逆にするだけで、目安で数十万円の差が見える場面もあります。ご自身ならどう受け取り分けるのが有利か、まずはかんたん受給診断で60秒の方向性チェックから始めてみてください。
迷う点があれば、そのままLINEで相談もできます。診断書は不要で、しつこい勧誘もしません。LINEだけで進められます。
本記事は一般的な制度の解説です。個別の受給可否・金額・要件は加入状況や保険者・行政の判断によります。最新の正確な情報は、各保険者・ハローワーク等でご確認ください。